セカンド冷凍庫はどこに置く?スリムタイプの選び方と設置の注意点を解説
まとめ買いをしたい。ふるさと納税の返礼品が入りきらない。作り置きを冷凍しておきたい——そうした理由で、冷凍庫をもう一台とお考えの方が増えています。
ところが、いざ買おうとすると最初につまずくのが置き場所です。キッチンはすでに冷蔵庫で埋まっている。かといって、どこに置いてもよいわけではありません。
この記事では、セカンド冷凍庫をどこに置けるのか、置くために何が必要なのかを整理したうえで、スリムタイプの選び方と設置の注意点を解説します。
セカンド冷凍庫を置く人が増えている理由
ご相談の背景には、だいたい次のどれかがあります。
まとめ買いをするようになった
買い物の回数を減らしたい、特売でまとめて買いたい。肉や魚を小分けにして冷凍しておけば、日々の調理が楽になります。ただし、冷蔵庫についている冷凍室だけでは、すぐにいっぱいになります。
ふるさと納税の返礼品
肉、魚介、冷凍の加工品。返礼品は発送時期を指定できないことが多く、複数の自治体から同じ時期に届いてしまうことがあります。そのときに入りきらない、というお話をよく伺います。
冷凍食品が充実した
ここ数年で、冷凍食品の種類と質が大きく変わりました。常備しておきたいものが増えれば、場所も必要になります。
作り置きをする
週末にまとめて調理し、小分けにして冷凍する。食費を抑えられ、平日の負担も減ります。この習慣が定着すると、冷凍の容量がそのまま暮らしやすさに直結します。
ご家族の人数が変わった
お子さまの成長、同居の開始。食べる量が増えれば、保存する量も増えます。
機種を選ぶ前に、置き場所を決める
冷凍庫選びでよくある失敗が、容量から入ってしまうことです。
「150Lくらいあれば足りそう」と機種を決めてから置き場所を探すと、入らない、放熱スペースが取れない、コンセントが届かない、といった問題に行き当たります。
順番は逆です。まず置ける場所を決め、その寸法から選べる機種を絞る。これが確実な進め方になります。
置ける場所・置きにくい場所
キッチン
もっとも使いやすい場所です。調理の流れの中で出し入れできます。ただし、すでに冷蔵庫・食器棚・レンジ台が並んでいることが多く、空いている壁面を見つけられるかが課題になります。
洗面所・脱衣所
スペースがあれば置けますが、湿気にご注意ください。入浴後の湿度が高い環境では、本体の外側に結露が生じることがあります。また、洗濯機とコンセントを共用すると容量が不足することがあります。
廊下・階段下
意外と現実的な選択肢です。通行の邪魔にならない幅が確保でき、扉を開ける余地があれば置けます。ただし、放熱と動作音は考えておいてください。
納戸・ウォークインクローゼット
場所としては空いていることが多いのですが、閉め切った狭い空間は、熱がこもりやすく冷凍庫には不向きです。扉を開けておける、換気ができるといった条件が必要になります。
寝室
冷凍庫はコンプレッサーが動くたびに音がします。静かな機種もありますが、休む部屋に置くのはおすすめできません。
ベランダ・屋外
置かないでください。家庭用の冷凍庫は屋内で使うようにつくられています。雨、直射日光、気温の変化のどれもが、故障や事故の原因になります。
ガレージ・物置
屋根があっても、温度の問題が残ります。これは次の章でご説明します。
置き場所に必要な5つの条件
1. 放熱のすきま
冷凍庫も冷蔵庫と同じく、庫内を冷やすために熱を外へ逃がしています。壁にぴったり寄せると、冷えにくくなり電気の使用量も増えます。必要なすきまは機種ごとに異なりますので、仕様をご確認ください。
2. アース端子付きのコンセント
冷凍庫はアースの接続が必要な家電です。また、延長コードやタコ足配線は避けてください。長時間連続して動く家電ですので、壁のコンセントへ直接つなぎます。
3. 床の強度と水平
100Lクラスで30〜40kg、中身が入ればさらに重くなります。2階や木造住宅では、床がたわまないかを確認してください。また、水平が取れていないと扉がきちんと閉まらず、霜の原因になります。
4. 搬入経路
玄関から置き場所まで通るか。スリムタイプでも奥行が55〜60cm程度ありますので、ドアを斜めに通す余地が要ります。通り道は本体の幅+10cm程度が目安です。
5. 周囲の温度
見落とされやすい点です。冷凍庫には使用できる周囲温度の範囲が決められています。寒すぎる場所に置くと、庫内の温度センサーが働かず、かえって冷えないことがあります。ガレージや暖房のない物置が向かない理由は、ここにあります。
前開きと上開き、どちらを選ぶか
家庭用の冷凍庫には、大きく2つのタイプがあります。
| 前開き(引き出し式) | 上開き(チェスト式) | |
|---|---|---|
| 設置面積 | 小さい | 大きい |
| 出し入れ | しやすい | 下のものが取りにくい |
| 冷気 | 開けると逃げやすい | 逃げにくい |
| 上に物を置けるか | 機種による | 置けない(フタが開かない) |
| 向く場所 | キッチン・廊下 | 納戸・広い土間 |
住宅のキッチンや廊下に置くのであれば、前開きのスリムタイプが現実的です。床面積を取らず、立ったまま出し入れできます。
上開きは容量あたりの効率はよいのですが、フタの上に物を置けないという制約があります。置いた場所が物置き台になってしまい、結局開けられない——これは実際によくあることです。
スリムタイプの実寸を知る
セカンド冷凍庫として選ばれることが多いスリムタイプは、おおむね次のような寸法です。
- 幅……36〜50cm程度
- 奥行……55〜60cm程度
- 高さ……120〜150cm程度
- 容量……100〜150L程度
幅が40cm前後であれば、冷蔵庫の横の空いた隙間や、廊下の一角に収まります。
ただし、この寸法に放熱のすきまを足した数字が、実際に必要な場所の広さです。幅40cmの機種でも、設置には45cm以上の空間が必要になることがあります。
アクア、ハイアール、三菱電機など、各メーカーからスリムタイプが出ています。同じ「スリム」でも奥行や高さには差がありますので、設置場所の寸法と見比べてお選びください。
霜取りの方式で、手間が変わる
冷凍庫の冷やし方には2つの方式があり、お手入れの手間が変わります。
直冷式
庫内の壁が直接冷える方式です。構造が単純で、電気の使用量も抑えられます。ただし霜がつきやすく、定期的に手動で霜取りをする必要があります。
ファン式(間冷式)
冷気を送風して冷やす方式です。自動霜取り機能が付いている機種が多く、お手入れの手間がかかりません。その分、ファンの動作音がします。
置き場所が納戸や廊下で、ふだん目が届きにくい場所であれば、ファン式のほうが管理は楽です。霜取りについては別の記事でも詳しく解説しています。
古い冷蔵庫を、セカンド冷凍庫として使えるか
買い替えのときに、「前の冷蔵庫を冷凍専用にして残そうか」とお考えになる方がいらっしゃいます。
結論から申し上げると、おすすめできません。
理由は3つあります。
- 冷蔵室は冷凍にならない……冷蔵室は冷凍するほど温度を下げられません。冷凍室の部分だけを使うことになり、本体の大きさのわりに入る量がごくわずかです
- 電気の使用量……年式の古い冷蔵庫は、現在のスリム冷凍庫よりも消費電力が大きいことがほとんどです
- 場所を取る……400Lクラスの冷蔵庫は幅65〜70cm。スリム冷凍庫の1.5倍以上の場所を占めます
「使えるから置いておく」が、いちばん場所と電気を使う選択になりがちです。冷凍の容量が必要であれば、冷凍専用の機種を選ばれるほうが結果的に無駄がありません。
設置してはいけない場所
改めて整理します。次の場所は避けてください。
- 屋外・ベランダ……防水構造ではありません
- 直射日光の当たる場所……庫内の温度が上がり、負担がかかります
- 暖房器具のそば……ストーブ、床暖房の吹き出し口の近くなど
- 水がかかる場所……洗面台や洗濯機のすぐ横で、水が飛ぶ位置
- 吊戸棚の真下で、上に余裕がない場所……放熱できません
- 扉を全開にできない場所……中が見えず、出し入れもできません
届いてから使い始めるまで
搬入が済んだら、すぐに食材を入れたくなりますが、いくつか手順があります。
1. 設置して、すぐには電源を入れない
輸送中に傾いたことで、内部のオイルが動いていることがあります。立てた状態でしばらく置いてから通電してください。必要な時間は機種によって異なりますので、取扱説明書をご確認ください。
2. 水平を確認する
本体がぐらつかないか、扉がきちんと閉まるかを確かめます。水平が狂っていると、扉のすきまから湿った空気が入り、霜の原因になります。
3. 庫内が冷えるまで待つ
電源を入れてから設定温度に達するまで、数時間かかります。冷え切る前に食材を詰め込むと、全体が冷えにくくなります。まずは空の状態で運転させてください。
4. 詰めすぎない
冷蔵室とは逆で、冷凍室はある程度詰まっているほうが効率が上がります。ただし、ファン式の機種では冷気の吹き出し口をふさがないようご注意ください。
置いたあとの、ちょっとした工夫
セカンド冷凍庫は「開ける回数が少ない保存庫」になりがちです。奥のものが行方不明になりやすいので、使い方を決めておくと無駄がありません。
- 中身を書き出す……扉にメモを貼り、入れたものと日付を書いておきます
- 立てて収納する……平らに重ねると下のものが見えません。保存袋は立てて並べます
- 役割を分ける……冷蔵庫の冷凍室は「よく使うもの」、セカンド冷凍庫は「ストック」と決めます
- 定期的に見直す……買い物前に中身を確認する習慣があると、二重買いが減ります
また、長期の停電や旅行のときの扱いも決めておいてください。扉を開けずにおけば庫内は数時間保ちますが、それを超えると中身に影響が出ます。
不要になったときの処分
先のことですが、知っておいていただきたい点です。
家庭用の冷凍庫は、冷蔵庫と同じく家電リサイクル法の対象です。粗大ゴミとしては出せません。
処分の際は、買い替え先の販売店に引き取りを依頼するか、回収に対応できる業者へご相談いただくことになります。セカンド冷凍庫も例外ではありませんので、買い足すときから頭の片隅に置いておいてください。
業者に相談するときに伝えるとよい情報
- 置きたい場所(キッチン・廊下・納戸など)と、その場所の幅・奥行・高さ
- 検討している機種のメーカーと型番
- 玄関から置き場所までの通り道(階段の有無、曲がり角)
- 置き場所の近くにアース付きコンセントがあるか
- 建物の種類と階数
置きたい場所と通り道を撮った写真があると、入るかどうかの見当がつきやすくなります。購入前の段階でもご相談いただけます。届いてから入らないと分かるより、先に確かめておくほうが確実です。
まとめ
セカンド冷凍庫は、容量ではなく置き場所から決めてください。置ける場所の寸法が、選べる機種の上限になります。
置き場所に必要なのは、放熱のすきま、アース付きコンセント、床の強度と水平、搬入経路、そして周囲の温度の5つ。ベランダや屋外、暖房のそばは避けてください。
住宅のキッチンや廊下に置くなら、幅40cm前後の前開きスリムタイプが収まりやすい選択です。ふだん目が届きにくい場所に置く場合は、自動霜取りのあるファン式が管理しやすくなります。
通るかどうか、置けるかどうかで迷われたときは、購入前の段階でもどうぞご相談ください。

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